点眼薬による治療
ドライアイの症状を緩和するため点眼薬による治療を行います。ひらばり眼科では、水分を補充し潤いを与えるヒアルロン酸ナトリウム点眼液や、水分やムチンの分泌を促進させるジクアス点眼液、ムチンの分泌を増加させるほか目の表面の傷を修復・保護するムコスタ点眼液を処方しています。
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涙は、目を乾燥や汚れから守ったり視界をクリアにするほか、角膜に酸素や栄養を届けるなど、様々な役割を果たしています。ドライアイは、涙の量が減ったり成分の変化によって涙が目の表面に留まりづらくなった結果、目の表面が乾いた状態のことであり、目の不快感や疲れやすさ、視力の低下など、様々な症状が現れます。
また、ドライアイの症状は目が乾燥するものと思われがちですが、涙が目の表面に留まりづらくなり、涙が反射的にたくさん分泌されている場合もあります。
ドライアイは、環境や加齢によって引き起こされることが多く原因を取り除きづらいため、すぐに完治することが難しい眼病です。症状を軽減し、上手に付き合っていくことができるよう、眼科に相談し、医師の指示のもと治療を行いましょう。
目の表面を覆う涙は、外側から油層と水層(水・ムチン)の二層構造になっており、どちらの層も目の表面を守る上で、大切な役割を担っています。涙の99%は水層、1%が油層です。最近までドライアイは水層の不足が原因とされ、治療が行われていましたが効果が限定的でした。しかし、最近の研究でドライアイの方の86%が、涙全体のわずか1%の成分である油層の不足に関係していることが分かってきました。ひらばり眼科では、油層の治療に特化した医療機器や点眼薬を導入し、ドライアイに悩んでいた多くの患者様に効果を実感いただいています。
まぶたの中のマイボーム腺から分泌される油の層で、涙の外側を覆うことによって涙の蒸発を防いでいます。
まぶたの中の涙腺から分泌される水は、アミノ酸やブドウ糖などを含み、角膜に酸素や栄養を届けたり傷を治すなどの働きを担っています。また、目の表面の細胞から分泌されるムチンは、涙を目の表面に行き渡らせる働きを担っているため、涙の安定性に重要な役割を果たしています。
ドライアイは、環境要因や加齢に伴うことが一般的です。パソコンやスマートフォン、テレビなどの画面を見続けることによって、まばたきの回数が減って涙が乾きやすくなったり、ストレスによって涙の量が減っていることもあげられます。また、加齢に伴って目の表面の涙を留める油分の量が減ってしまうことも原因の一つです。
長時間の使用によって室内が乾燥し、涙が蒸発してしまいます。
画面を見続けることによって、まばたきの回数が減少し目が乾燥しやすくなります。
コンタクトレンズは、水を弾くために眼が乾燥するほか、ムチンの分泌を低下させます。
加齢により、涙の油分が減少します。また、結膜のシワやたるみによって、涙の層が乱れるため目が乾いてしまいます。
マイボーム腺の働きが低下し、涙の外側を覆う油分が減少することにとって目が乾燥しやすくなります。
結膜の炎症により、酸素や栄養を届けたり傷を治すなど、重要な役割を担うムチンの分泌を低下させます。
仕事や生活によるストレスが自律神経に作用し、涙の分泌が減少します。
術後、約半年で改善することが多いドライアイで、手術によって角膜の神経が断裂されることによって伝達が悪くなり、涙の分泌が減少します。
全身の外分泌腺に炎症が起こる病気です。涙腺も障害され、涙の分泌が減少します。
ドライアイは、原因に合わせた適切な治療を行うことが大切です。ひらばり眼科では、原因を正確に判断するため、涙の質や量の過不足を調べる次の2つの検査を行います。
黄色の染色液を点眼した目を細隙燈顕微鏡で観察し、涙の質を調べる検査です。
目を開けたままにすることによって涙の層が壊れるまでの時間を測り、涙の安定性を調べる検査で正常値は10秒以上、5秒以下の場合はドライアイと診断されます。
※ 検査後しばらく黄色の涙が出ますが、目の影響はないためご安心ください。
角膜とまぶたの間に溜まっている涙の高さ(涙液メニスカス高)を調べる検査です。正常値は0.2~0.3mmとされ、0.2mm以下の場合はドライアイと診断されます。
ドライアイの原因が水やムチンの不足と診断された場合、一般的にムチンの分泌を促しながら水分を補充する点眼薬による治療を行いますが、重症の場合、涙の流出を防ぐために涙の出口に小さな栓「涙点プラグ」を挿入する手術を行います。
ドライアイの症状を緩和するため点眼薬による治療を行います。ひらばり眼科では、水分を補充し潤いを与えるヒアルロン酸ナトリウム点眼液や、水分やムチンの分泌を促進させるジクアス点眼液、ムチンの分泌を増加させるほか目の表面の傷を修復・保護するムコスタ点眼液を処方しています。
手術により、涙の出口に小さな栓(プラグ)を挿入することによって、涙が鼻へ排出されるのを防ぎます。欠点として流廃物や花粉なども排出されにくくなるため、目の痒みや充血、目やにが出ることがあります。涙点プラグには、涙の保持効果が高く長期間効果が続くシリコン製の涙点プラグか、体温程度に温めると液状からゼリー状に固まる性質を利用し涙の出口に栓をする液体コラーゲンの涙点プラグがあります。
ドライアイの原因の86%は、油層の不足です。油層の不足を引き起こす最大の要因はマイボーム腺機能不全で、まぶたを温めて血流を良くするマッサージや点眼薬、特殊な光の照射(IPL治療)など、様々な治療によってマイボーム腺からの脂の分泌を促します。
むしタオルやアイマスクなどで目の周囲を温め、その後、指の腹で優しくマッサージします。マイボーム腺の油が溶かされ血液の循環が良くなる結果、油分の分泌が活発になり目の潤いを保ちやすくなります。
眼瞼炎が原因でマイボーム腺の機能不全が認められた場合、アジマイシン点眼液を処方します。抗菌作用と強い抗炎症作用がMGD(マイボーム腺機能不全)治療にも有用で、またマイボーム腺から脂の分泌を促進する作用も証明されています。
最新のドライアイ治療法であるIPL治療(保険外診療)とは、特殊な光をマイボーム腺に照射することによって、マイボーム腺の詰まりや炎症を改善し分泌される脂の量と質を改善します。海外では、有用な治療法としてドライアイ治療ガイドラインに採用されています。
費用や治療期間など、詳細につきましては、「お知らせ・コラム」ページをご覧ください。
ドライアイは、点眼液の処方や涙点プラグを挿入する治療が一般的でしたが、水層の治療には有効である一方で油層の治療には効果がありませんでした。ひらばり眼科では、油層の治療を行うため、「M22 IPLシステム(ルミナス社)」を導入します。IPL治療は2002年にToyosらにより始められ、日本では「LIME研究会」により効果と安全性が確認されています。
コラムでは、「ドライアイ」に関する詳しい情報を発信しています。