「散瞳検査」ってなに?
2021年9月12日更新
日本眼科学会認定
眼科専門医 加藤光男
さて、今回はタイトル通り「散瞳検査」についてご紹介します。この散瞳検査は、眼科ではとってもポピュラーな検査の一つで、「瞳を開く検査です」「目薬を使う検査です」と言うこともあります。眼の奥をしっかり見たい時、例えば飛蚊症の検査や、糖尿病性網膜症などを疑ったときによく行われます。
【目次】
散瞳検査とは?
散瞳検査で使用する目薬
散瞳時の注意
散瞳による副作用散瞳検査とは?
目に光をあてると瞳孔が小さくなり、また暗い場所に来ると大きくなる、という現象はみなさんご存知の方が多いと思います。自然に瞳孔を大小させて、光を取り入れる量を調整しているのです。眼の奥は暗いので、光を当てて見やすくしようとすると瞳孔が小さくなってしまうので、瞳孔を大きくし、見やすくするために目薬を使った散瞳検査を行っています。
散瞳検査で使用する目薬
短時間作用型の目薬を使用します。短時間といっても5〜6時間ほど効果がなくなるまでに時間がかかります。
ミドリンP点眼液がよく使われます。散瞳時の注意
この目薬を使うと、瞳孔が大きくなってまぶしく感じます。また手元が見づらくなることもあります。5~6時間ほど経てば自然と元に戻ってきます。
その間は車の運転や自転車も控えていただくようにお願いしています。
また近くがボケてみえるため、細かな手元の作業ができにくくなります。
十分な時間の取れる日に予約してください。糖尿病、ぶどう膜炎や高齢者では散瞳薬が効きが弱い傾向があります。目薬の効きが弱い方は効果があらわれるまで1時間程かかる場合がありますので(早い方は15分ほど)、ご来院の際は時間に余裕を持ってお越しくださいね。
散瞳による副作用
1)緑内障発作。
散瞳検査後、数時間して発生すること多い。急に目がかすみ、白目が充血し、頭痛や吐き気がおきます。
散瞳検査前に診察し緑内障発作を予防します。
発作のリスクの高い人は、
*遠視(若いころ目がよかった。老眼が早く始まった)方
*60歳以上
*白内障のある方 です。
2)アレルギー性結膜炎
点眼薬に含まれる成分でアレルギー性結膜炎がおきることがあります。
散瞳薬点眼後、白目の充血が強くなり、かゆみや、異物感(ゴロゴロ感)や痒みが数日続きます。
過去に散瞳した時、充血が強くなった方は必ず申しでてください。詳しくは、スタッフからもお話させていただきますのでご安心ください!