春の花粉症とお勧めの治療
日本眼科学会 眼科専門医
日本アレルギー学会正会員
加藤光男
2月も半ばを過ぎ本格的な春の花粉症の時期が始まりました。
春の花粉症はスギやヒノキなど大きな木の花粉が主役です。
国民の40%近くはスギ花粉症と言われ春の代表的な花粉症です。
花粉症の症状
眼の症状(かゆみ、涙、白目の充血)、鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)や皮膚のかゆみ などがよく見られます。
花粉症の診断
少量の涙を取って、涙の中の涙液IgEを測定する方法(10分ほどで結果が出ます)や採血してしらべます。
スギ花粉症は大きな木の花粉が原因で大量に飛散するため、飛散の多い日や時間と症状が一致すれば問診のみでほぼ診断することができます。
眼科でよく処方される花粉症の薬
1)抗アレルギー剤の目薬を使用する
代表的な目薬は 抗ヒスタミン作用のある 点眼薬を使用します。
代表はアレジオンLX点眼液0.1%、パタノール点眼液0.1%。
2) 症状が強くなり抗アレルギー点眼薬のみでは効果が不十分だった場合は,
ステロイドの点眼薬を併用します.ステロイド点眼液は眼圧上昇や感染症を起こしやすくなるため定期的な診察が必要となります。
3) 抗アレルギー内服薬
最近では眠気が少なく、1錠で1日効果のある内服が発売されています 。
お勧めはビラノア錠、デザレックス錠
4)漢方薬
漢方薬にも花粉症に有効な小青竜湯などがよく処方されています。
5)点鼻薬
くしゃみ 、鼻水、鼻づまりなどにの鼻の症状を改善します。
セルフケア 薬以外で症状を軽くする方法
・マスクや花粉防止メガネを使って 花粉の侵入を防ぐ。
・ 花粉を家の中に持ち込まないように、玄関で服についた花粉を払いましょう。
・ 洗顔、うがい、髪の毛についた花粉をシャワーで洗い流しましょう。
・花粉情報に注意して 花粉との接触をできるだけ避けましょう。
花粉は晴れた日や風の強い日、特に雨の降った翌日に多く飛びます。
1日のうちでは昼過ぎ花粉が舞い上がり、夕方地上に降り注ぎます。
・コンタクトレンズも使用時間を短くしましょう。レンズの種類も1日タイプの使用をお勧めします。
コンタクトレンズを使用するときは抗アレルギー剤の点眼も忘れずに。