学校検診で視力低下を指摘されたら。
毎年4月、5月になると学校では検診が行われます。学校生活に支障がないかを調べるためです。
学校検診での視力検査は「370方式」と呼ばれる基準で行われます(学校保健法)。
1.0,0.7,0.3の3つの視力表で判定し、測定結果を、A、B、C、Dの4段階に分けて記録します
このうち視力がB~Dの方に「健診結果のお知らせ」が手渡されます。
A 視力1.0以上:教室の一番後ろの席からでも黒板の文字を楽に読める。
B 視力0.9~0.7:教室の真中より後ろの席にいても黒板の文字をほとんど読めますが、小さい文字になると見にくいものがある。
C 視力0.6~0.3:真中より前の席でも小さな文字が半分くらいしか読み取れない。
D 視力0.3未満:一番前の席に座でも黒板の文字がはっきり読み取れない。
眼科ではレフラクトメーターを使って度数を調べたり、雲霧法を用いて正確な視力を測定します。視力が不安定なときはサイプレジン点眼液、ミドリン点眼液を使って精査することもあります。
例年高学年では近視が進んだ子供さんが多くみられます。
低学年では遠視や一過性に近視のように見える状態 偽近視、いわゆる仮性近視 が多くみられます。
近視の場合眼鏡があっているか検査をします。あっていない場合は眼鏡を処方します。
中等度以上の遠視では弱視になっていないか、眼鏡が必要か検討されます。
軽い遠視やいわゆる仮性近視では近視を進行させないために、生活上の注意や時に点眼が処方されることもあります。
近視の進行を予防するための低濃度アトロピン点眼、オルソケラトロジーという選択肢もあります。スタッフ・医師にお尋ねください。
2019年8月より低濃度アトロピン点眼液の治験が開始されました。
治験とは、患者さんにご協力いただいて新しい薬の効き目と安全性を調査することです。近視と診断された 5~15歳の方が対象です。