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花粉症と緑内障

花粉症と緑内障

ひらばりタイムズ2022.3-4月号

【メインテーマ】花粉症と緑内障

みなさんこんにちは。

毎年この時期になると悩まされる方が多いのが花粉症です。目のかゆみ、鼻水、くしゃ

みのほかにも、個人差はありますが、喉のイガイガや頭痛やだるさを感じる方もおり、お

薬に頼る方も多いのではないでしょうか。

 

ここで、ひとつ思い出してみてください。

内科や耳鼻科で花粉症の相談をした際に、「眼科の先生にもこのお薬を使ってもよいか

聞いてみてください」と言われたことはありませんか?もしかすると、内科や耳鼻科に限

らず、循環器科や心療内科などで同じような経験をしたことがある方もいらっしゃるかも

しれません。

 

これは、何の確認をしているかご存じでしょうか。

実は、花粉症対策で使われるお薬(抗ヒスタミン剤)やほかの治療に使われるお薬の中

には、目の状態にも影響を与えるものがあります。眼科の部分でお話をすると、緑内障の

治療中の方は特に注意が必要となります。

 

まず緑内障とは、視神経が何らかの原因で障害を起こし、視野が欠ける病気です。視神

経は眼の奥の網膜に集まっており、眼圧(眼の硬さ)が上がることで圧迫され障害を起こ

すことがあります。眼圧が上がる原因に、眼の中を循環している「房水」という透明の液

体の流れが滞ることがあります。通常、房水は産生や排出を繰り返しながら一定量に保た

れているのですが、緑内障になると房水がうまく排出されずに眼内に溜まってしまい、眼

圧が高くなってしまうのです。

 

眼の構造上、緑内障には二つのタイプがあります。

ひとつは「隅角」と呼ばれる房水の通り道が閉じてしまう「閉塞隅角緑内障」というタイプ、も

うひとつは房水の排出口部分が目詰まりを起こす「開放隅角緑内障」というタイプです。

 

花粉症等のお薬に注意が必要なのは、前者の閉塞隅角緑内障タイプになります。お薬の

中には茶目(光彩)を緩ませる効果があり、緩んだ茶目が厚みを持つと隅角が狭くなって

しまう「急性緑内障発作」を起こしてしまう可能性を孕んでいます。

 

こうしたことから、眼科以外で診察を受けた際に「眼科の先生にもこのお薬を使っても

よいか聞いてみてください」と聞かれるのです。緑内障と診断されている方は、自身の緑

内障タイプを把握しておくことも大切ですね。

 

花粉症は早めの対策が肝心です。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!